目の前の人を幸せにしたい。
学生時代は、建築学科で大空間の建築構造を専攻していました。授業では実際のドームやスタジアムを題材にすることが多く、西武ドームや札幌ドームなど、三晃金属工業が手掛けた建築物が数多く取り上げられていました。しかし、当時はまだ三晃金属工業のことを知らず、特に意識していませんでした。
その後、三晃金属工業の存在を知ったのは就活の時です。説明会に参加した際、授業で題材にされていた高度な建築物の数々を手掛けている会社だと知り、興味を持ちました。しかし、当時の私は設計業務だけを突き詰めて「周囲をあっと言わせるような、すごい建築物をつくりたい」とは、あまり考えていませんでした。むしろ、さまざまな業務の中で自分の力を幅広く伸ばしながら、「自分が直接関わる人たちに喜んでもらえるような仕事をしたい」と考えていました。ですから大手ゼネコンや設計事務所ではなく、ハウスメーカーや建材メーカーといった、人と人との繋がりの中で成長していけそうな仕事を検討していました。
その中で三晃金属工業を選んだ理由は、仕事の幅の広さです。設計から工事、営業まで、さまざまな業務を経験できる点は、自分が目指している働き方に近いと感じました。また若手のうちから現場で活躍できるなど、「スピード感を持って成長できそう」と感じた点や、上場企業としての安定感も入社の決め手となりました。
トップを走り続けるために。
設計課のもう一つの仕事は、BIMやCADといった設計ツールの社内整備や研修の実施などです。特にBIMは近年、業界での需要が高まっているツールです。3Dのデジタルモデルを作成できるBIMには、各材料のコストや数量といった属性データを入力したり、建築物が完成するまでの作業工程をアニメーションで表現できたりと、さまざまな活用法があります。しかし、これまで慣れ親しんできた2Dの図面から、3Dのデジタルモデルへの移行は容易ではありません。ツールに対する設計者の知識やスキルの向上が求められるほか、それをもとに作業を行う現場の職人さんたちにも慣れてもらう必要があります。これまで以上に現場の作業効率を上げるためには、どういった情報をどう見せるのが良いか、現場の声を吸い上げながら試行錯誤の毎日です。難しさを感じることもありますが、導入を進める中で社員や職人さんから「便利になったよ」という声が聞けた時には、大きなやりがいを実感します。
建築業界では近年、現場の担い手不足が深刻な問題となっています。大手ゼネコンでは建設現場にロボットを導入するなど、機械化・自動化が進んでおり、デジタル化の推進は業界にとって喫緊の課題です。こうした動きに対応していくためにもデータをスムーズに連携・共有できるBIMの運用は不可欠ですし、技術革新に乗り遅れることは機会損失に直結します。
まずは私自身、BIMに対する理解をより一層深め、社内に有効なノウハウを展開していくことが目標です。そうして一人でも多くの社員や現場の職人さんに、デジタル化の重要性や必要性を実感してもらうことが、屋根の分野からデジタル化を牽引していくことに繋がると実感しています。三晃金属工業の一員としての誇りと責任を胸に、今後も貪欲に知識やスキルを追求していきたいと思います。