インパクトのある屋根づくりに挑戦したい。
大学で建築を専攻していたことから、就職活動ではハウスメーカーやゼネコンなどを中心に検討していました。就職先を検討する上で私が重視していたのは、「この建築に携わった」と誇れるような、意匠性や規模感のある案件に携わることでした。そう考えた時に、ハウスメーカーには規模感についてもの足りなさを感じました。また、ゼネコンにはスケール感はあるものの、一つの案件が長期にわたる分、意匠性の高い大型案件を担当できる確率は低いのではないか、という懸念がありました。自分が望む働き方ができる企業はどこか、妥協せずに検討していく中で出会ったのが三晃金属工業です。日本初の長尺折版葺き屋根を開発した、屋根のトップメーカーであることや、九州国立博物館や幕張メッセなど、技巧を凝らした屋根を数多く手掛けていることに魅力を感じ、「自分もインパクトのある屋根づくりに携わりたい」と志望しました。
入社後2カ月間は、自社製品や社会人マナーに関する研修に参加。その後、4カ月間の営業研修では、見積もりの作成や施工費の算出方法などについて学びました。特に印象に残っているのは、1週間の「施工店研修」です。営業研修の一環として、当社が普段、お世話になっている施工店にお邪魔し、職人さんの仕事を見学させてもらいます。実際に作業をする機会はありませんでしたが、職人さんが自作した道具を使う様子など、働く姿を間近で見ることができました。短期間ではありましたが、職人さんの豊富なスキルやノウハウ、仕事に対する考え方に触れられたことは、後々工事の仕事に携わる上でとてもいい経験になったと感じています。
現場に足を運び、自分の目で確認する。
私たちの仕事は、クライアントに満足いただける屋根を提供することはもちろん、現場の職人さんに気持ちよく仕事をしてもらい、自社と職人さんの双方にきちんと利益をもたらすことです。そのためには、適切な品質管理を行いながら、工事を円滑に進めることが重要です。工事は人と人とのコミュニケーションによって進められていくため、ちょっとした認識のズレが、後々大きなミスやトラブルに発展する可能性もあります。同じ施工図を見ていても、クライアントと職人さん、自分の三者間で、異なるイメージをしている場合もあり注意が必要です。
そうした食い違いがないよう、日頃から打ち合わせを入念に行い、現場に足を運んで図面や工程通りに工事が進んでいるか随時確認するようにしています。特に特殊な仕様の工事を行う際には、事前に現場の職長さんと認識のすり合わせをして、寸法の基準を出す作業などの重要な場面には必ず立ち会い、図面通りの長さになっているかなどを実際に自分の目で確認することが大事です。
しかし、どれだけ慎重に物事を進めていても、予期せぬ事態は起こり得ます。当社が担当する屋根の工事以外にも、建設現場では基礎から外壁までさまざまな工事が行われており、そこでトラブルが発生する場合もあります。屋根以外の部分で工事が滞ったり変更が生じたりすれば、こちらも臨機応変に対応しなければなりません。判断に迷う時は、上司や先輩の他、現場の職長さんからもアドバイスをもらい、周囲の人の助けを借りながら課題を解決していきます。現場で支えてくれる職人さんに恩返しをするためにも、屋根づくりに関しては可能な限りミスやトラブルのない進行管理を目指しています。自分のミスにより、一つでもイレギュラーな工程が発生すれば、その分、職人さんに無駄な作業や時間を強いることになってしまうからです。
そうして現場スタッフと力を合わせ、最初はただの平面図だったものが、実際に建築物となって目の前に現れた時には、言葉にできない達成感が得られます。今後も一つでも多く現場経験を積みながら、将来的には大勢の人々の暮らしに役立ち、利用してもらえるような大型案件に挑戦してみたいと思います。