新築竣工から約30年が経ち、長寿命化に向けた改修工事が行われました。新築時と同じR-T工法によるものですが、30年の間にステンレス鋼板の耐候性や熱伸縮性の向上、溶接機器の性能向上が図られ、「より強い屋根」となったR-T工法での全面改修です。
今回の改修では、既存屋根と比較して屋根面の割付を変更しています。吊り橋状の建物形状を活かし、雨水が屋根面において両端部から中央に向けて斜めに流れるように、屋根の両端部は斜めに、中央はストレートに、その間を扇形のテーパー屋根材で割り付けしています。
屋根4段ごとに、上段屋根の雨水を受けて集める「集水パネル」を設け、雨水が外部に落ちないようにする仕組みや、立ち上がり部分の役物形状や雪止めカバーの形状も従来のものから進化させ、軒先の集水桝も新しく作り変えるなど、「長寿命化」をより積極的に図りました。
スケートシーズンが終了する2月末から、次のシーズンに向けた準備が始まる9月頭までの約6か月という限られた工期の中、15段の階段状の建物を、上の段から順に工事を進める従来通りのやり方だと、工期内に納まりません。
そこで、①1工区(1段)単位の作業を整理(既存屋根撤去→既存木下地撤去新設→屋根新設→足場解体)して、工期を4~5週と設定、②屋根全体においては葺き替え作業が終わった工区の足場を解体しなければ下段の工事ができないため「1段飛ばしで施工」、③テーパー材を除き屋根材を現場でコイルから成型する、等々、施工計画を綿密に立てました。
またR-T工法は、当社が発行するライセンスを持つ職方の従事が必須です。本現場では着工前に講習を受講していただき、新たにライセンスを取得した職方を加えて、防水施工班4班・解体班1班の体制で施工していきました。多い日は、25名ほどの職方が作業にあたりました。
既存屋根を解体してみると、構造用合板が傷んでいることがわかったり、撤去する予定の部材が外せなかったりと、改修ならではの問題も発生しましたが、その都度、設計者・元請・職方と協議を重ねながら解決していきました。
最後は酷暑の中での作業でしたが、工期も無事守ることができ、新しくなったエムウェーブを引き渡すことができました。この先も、市民や利用者に長く愛される建物であってほしいと願っています。