——この装置でどのような試験ができるのですか?
折版屋根にどのくらいの荷重がかけられるか、何メートルスパン(支持間隔)を拡げられるかなどの試験をします。JISでは折版が風や雪などによる荷重を受けた時を想定し、変型量や耐力区分を規定しています。これを基に屋根を支える梁の間隔と荷重の関係を求めて、安全な屋根が設計できるようにしています。
——この装置をどのように使って試験をするのですか?
漢字でいうと「円」の字のような形状の鉄骨のフレームが4つあり、それぞれのフレームがレールに沿って移動できるようになっています。
短い柱状の治具がぶら下がっている鉄骨のアームが上下します。屋根材を置いて折版の谷の部分に治具をあてがい、上から荷重をかけていきます。試験方法はJISで定められていて、通常は試験装置のフレームを2つ使って試験をします。
——フレームを4つ使うのはどういう時なのですか?
フレームが4つあることで、例えば非常に長い材料や偏った荷重など、一般の条件にないようなものも試験ができます。
レールの端ぎりぎりまで使えますので、過去には長さ10mくらいのものまで試験を行ったことがあります。
例えば、展示場やショールームのような柱のない広い空間をつくりたい時に、屋根に折版が使われることがあります。折版屋根がよく使われる工場などとは使い方が異なってきますので、条件を変えて試験をしなければなりません。そのような時、複数のフレームを活用しています。
また、カタログにない特殊な形状の製品についても評価することができます。
——試験の状況はどのように確認するのですか?
試験体に変形や力の負担を計るセンサーを付けて、パソコン上でモニターします。破壊状況や、破壊した時の荷重の値を記録し解析・評価をしています。