SANKO TECH

技術開発センターの試験設備……大型万能試験装置

大きな屋根構成体に対して
繰り返し性能や耐力の確認を行います

逆さでも試験できるんだね

——この装置でどのような試験ができるのですか?

屋根材に繰り返しかかる力に対して、どれだけ耐えられるか試験します。
屋根材だけでなく、太陽光パネルや緑化ユニットなど、屋根上に設置した設備と屋根を固定する金具など、複合的な構成体についても評価ができます。
実際の屋根やユニットにほぼ近いサイズでの試験が可能なため、「大型万能」という呼び方を名前につけています。

——どのように試験をするのでしょうか。

床面に設置されたサーボパルサー(油圧ジャッキ)に試験体を接続して加力します。
試験体はジャッキを挟むように平行に配置された基礎フレーム(高さ0.9m、長さ5.4m)に取り付けた梁材などを介して固定できるので、ジャッキのストローク(最大300mm)の範囲で、実際の現場条件の再現が可能となります。

——載荷試験装置との違いを教えてください。

前号で紹介した載荷試験装置は上から下への一方向加力を主としているのに対し、大型万能試験装置では上下両方向への加力ができます。
サーボパルサーは動的な加力(0.001~28Hz)を特徴とする装置なので、百万回を超えるような繰り返し負荷を再現する条件に対しても効率的な試験を実施することが可能です。
最近では鉄道関連の施設条件から、700,000回(列車が30往復×365日×30年)を超える回数での疲労試験を実施したり、自在なフレームを用いて、実大サイズでの静的な加力試験を実施したりするなど応用性の高い試験装置です。

——試験体の状況はどのように確認するのですか。

サーボパルサーの受ける荷重(反力)や変位(移動長さ)だけでなく、試験体各部に設けた変位計や歪値などの値を記録することが可能です。
動的な加力に合わせて細かく連続的に記録することができるレコーダーによって、加振(加力)回数ごとの挙動変化なども解析することができます。

大型万能試験装置