SANKO TECHちょっとやさしい技術のはなし

技術開発センターの試験設備
……環境実験装置

暑さや寒さ、実際の温熱環境を
再現して実験します

ちょっとやさしい技術のはなし

——この装置はどのようなつくりなのでしょうか。

装置は左右2つの部屋に分かれていて、大きな穴(開口部)の開いた壁で仕切られています。通常は試験体を壁にはめ込んで仕切りとし、試験体の面するそれぞれの室を異なる温湿度条件にします。温度は−30℃~ +80℃、湿度は20 ~ 95%RHまで設定することができるので、日本各地の環境条件をほぼ網羅し、再現することができます。

——この装置でどのような試験をするのですか。

おもに3つの試験があります。

①結露試験
屋根材、壁材などの試験体に対して、例えば屋外側を冬の屋外条件として0℃に、もう片側を屋内側として20℃に設定します。屋内側の湿度設定によって、試験体に結露(水滴)が発生するかどうかを確認することができます。

②熱貫流率試験
熱の伝えやすさを表す「熱貫流率」を測定します。この数値が低いほど、断熱性能が高いといえます。設置した試験体の屋外側を一定温度とし、屋内側をヒーターと循環用ファンで所定の温度差を保ちます。その際に必要となった電力量から熱貫流率が算出できます。

③凍結融解サイクル試験
雪国ではよく屋根に積もった雪が屋根面で溶け、夜になるとまた凍ることを繰り返す中で、屋根の隙間から水が漏れる「すがもれ」という現象が起こることがあります。
そこで装置によって寒冷地の温度変化を再現。屋根材などの試験体を冠水させ凍結・融解を繰り返し、水漏れがないかを確認します。

 

——この他にもどんな実験ができますか。

赤外線照射装置を用いて、日射による外装材への影響を評価することも可能です。