SANKO TECHちょっとやさしい技術のはなし

技術開発センターの試験設備
……オートグラフ(万能試験機)

素材から屋根構成部材まで、
幅広く万能な試験ができます

逆さでも試験できるんだね

——この装置でどのような試験ができますか。

上下に動くクロスヘッドと固定されたテーブルの間に試験体を設置して圧縮力や引張力を作用させることができます。
クロスヘッドに挟み込み用のチャックを取り付け、テーブルに鋼材治具などで試験体を固定すれば、引張試験ができます。
圧縮試験を行うときは、チャックの代わりに圧縮台座を取り付けます。

——なぜ万能試験機なの?

この装置の原形はアムスラー型万能試験機といわれる試験装置で、全国の大学や試験所などには必ずあるといわれるぐらい普及していた試験装置です。建築や土木といった分野でコンクリートや鉄筋などの試験が定番となっており、油圧を使った機構でヘッドとテーブルがクロスヘッドを挟んで上下し、引張・圧縮試験を行うことができます。
当社でも対象とする試験は非常に幅広く、鋼板素材の引張強度から、鋼材・木材等に打ち込む釘やドリルねじ、折版に用いるタイトフレームや断熱金具など、多種多様な部材の性能を確認する試験に用いています。

——小さなものしか試験できないのでは?

部材だけでなく、屋根材を組み合わせた構成体での試験も可能です。荷重も最大100kN(≒10トン)と充分な容量があり、恒温槽を使って温度制御をしながら繰り返し加力を与えることもできます。
SSR2007(鋼板製屋根構法標準)に示される折版の各種試験(二重葺き折版)など、多少大きな試験体の評価もでき、用途の広い試験装置です。

[オートグラフ(万能試験機)]

二重葺き折版

[オートグラフ(万能試験機)]