建物は地上2階建、総延床面積8,056㎡、士幌町の中でも大きな施設の1つです。ゆとりのある執務室を実現するために、柱間10m、桁行18mとしています。そのため、建物には普段使用されないような土木の橋梁のスケールに当たる巨大な鉄骨の柱・梁を採用。梁高は1,200mmにも及びますが、ホールの吹き抜け大空間や執務室に出てこないよう、屋上の梁から2階の梁を吊り下げています。構造は内部はS造で軽くし、外周部は鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造を採用し、耐久性と強度を担保しています。
冬季の対策として、士幌農協では独自にLPGのガスタンク施設を所持、非常用電源300キロも保持し、ブラックアウトの際のBCP対策も図っています。また暖房はガスを利用した床暖房を設置しています。
コロナ禍の感染症対策としては、1時間に平均3.2回の換気が行えます。全ての会議室でオンライン会議ができるよう設計変更を行いました。
士幌町は内陸に位置するため、夏は30度以上、冬はマイナス30度近くになることもあります。
広いRC造の陸屋根の屋上には、寒暖差にも耐えられる耐候性に優れた三晃金属工業㈱のエックスロン防水を採用しました。通常RCの場合、アスファルト防水を採用することが多いのですが、同社のエックスロン防水の高い性能と施工技術に対する信頼と実績、冬のすがもれ対策などから採用しました。
ただし、施工技術が仕上がりに影響してくるため、とくに、ラウンジ部のR平面や立ち上がり部分、入り隅・出隅が重なるところなど、工事監理も万全に行いました。