SANKO TECHちょっとやさしい技術のはなし

技術開発センターの試験設備
……防耐火試験炉

屋根材や壁材の耐火性能を
確認します

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——耐火性能とはなんでしょうか?

建物で火災が発生したとき、その建物が一定の時間、延焼を防ぎながら倒壊せずに自立していられる性能を耐火性能といいます。火災にあっても建物内外部の人が安全に避難するための、とても大切な性能です。
当社の扱っている金属屋根には30分の耐火性能が法的に求められています。30分火炎にさらされている間も中からの火を漏らさず、火が消えた後も屋根が崩壊せず自立していることが求められます。
金属屋根、壁製品の「耐火認定取得」は公的な試験機関で試験・評価が行われます。独自の製品については耐火認定試験を個別に受験し合格する必要があります。

——この装置でどうやって試験をするのでしょうか。

屋根材の試験では炉の上側に試験体(屋根材)を載せ、さらに屋根上に1㎡あたり65kgの重りを載せて、中から加熱します。
加熱はISO(国際標準)で定められた加熱曲線に従って、炉内のバーナーで加熱し、30分後には約840℃にも達します。
30分で加熱は終わりますが、その後も加熱した時間の3倍(90分間)の間、変形や発火などの確認をします。
当社は金属屋根・壁の製品開発において、耐火性能を満足する必要があるため、自社で耐火炉を保有して予備試験が行える体制を整えています。

——壁材と屋根材とで試験方法は違うのでしょうか。

下図にあるように屋根と壁は試験体の設置方法にも違いがあります。金属屋根の場合、自分の家が火事になったときを前提に内部から加熱して耐火性能を確認しますが、壁材の場合は自分の家が火事となった場合だけでなく、隣家が火災となった場合も想定されるため、内側と外側、それぞれの面からの加熱が行われ、耐火/防火として性能が区別されます。

技術開発センターの試験設備 防耐火試験炉

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