SANKO TECH

技術開発センターの試験設備……動風圧試験装置

屋根・外壁の雨や風に対する耐力・耐久性を調べます

台風の大型化・多発化、ゲリラ豪雨など、環境変化に対応すべく屋根の
強度や水密性を確認しています。

水色の動風圧試験装置

水色の動風圧試験装置

——この装置でどのような試験ができるのですか?

主に、耐風圧、水密性、気密圧の試験などができます。
①耐風圧試験:試験体に空気圧による等分布荷重(均一な荷重)を加えて風圧力に対する強度性能を調べます。
②水密性試験:試験体に強弱のある圧力を加えながら散水し、雨や水に対する防水性を調べます。
③気密圧試験:試験体に一定の圧力を加え、空気の流れる量を測定し、空気の漏れを調べます。

——どうやって試験を行うのですか?

台風や風の強い時に屋根・壁が吹き飛ばされるのは、風が抜けると圧力が変わって屋根に持ち上げられる力が働き、めくれ上がるという原理です。その力を再現するために、試験装置である水色の鉄の箱に屋根材や壁材で蓋をして、箱の中へ空気を送り込んだり吸い出したりすることで、擬似的な風の作用となる空気圧を発生させています。
箱の角度を変えることができるため、屋根材の試験は水平な状態もしくは実際の屋根と同じ傾きで、壁材の試験は90度回し垂直な状態で行います。

——装置にノズルが付いていますが、どのように試験に使うのですか?

台風などの強い風雨に対する試験として、試験体にシャワーを当てて、漏水の確認などをします。これが水密性試験です。1㎡につき毎分4ℓというJISの決まりに則って、装置の配管に一定のピッチで付いているシャワーノズルから水が試験体に均一にかかるようにします。また、同時に圧力を加えることも可能です。
最近増えているゲリラ豪雨に近いような雨量での試験も可能ですし、大型台風を想定した暴風雨の試験もできます。

——装置に窓が付いていますね。

装置の中の試験体を観察できるようになっています。
また、壁材を試験する時は、外壁面を内側に、室内面を外側に向けて取り付けます。中から水をかけて圧力をかけることで、装置の外側から建物室内への水漏れの様子が確認できます。
このように試験体の裏表を使い分けてそれぞれに試験ができるようになっています。
ダイナミックな風圧試験もできますし、空気が漏れるかどうかという細かい試験などにも使える装置です。

動風圧試験装置